日本財団 図書館


 

3)淀川等を利用する水運の構想
?河川スーパーハイウェイ構想
淀川は国土軸を形成する名神高速道路などの基幹道路と交差しており、これらの道路から淀川を利用して大阪港や神戸港への水上交通路としての可能性がある。また、大阪港や神戸港揚積貨物のうち淀川沿岸地域に発着する貨物の輸送路としても活用できる可能性がある。下表は「近畿地方の水土グランドデザインとギャラクシープラン」の中で提案されている「淀川スーパーハイウェイ構想」のあらましである。

表4−5 河川スーパーハイウェイ構想

・淀川等を上手に使った交通体系、いわば河川スーパーハイウェイ構想
・海と川と陸の円滑かっ効率的な往来を実現するためバージ・インチグレイディング・システムやライター・アボート・シップ・システムなどの効率的な物流システムや運搬船の開発、ウォーターフロントやリバーフロントの整備との連携、河川沿いの荷役施設や物流拠点の整備などの構想も含め、総合的に取組む必要がある。その場合、淀川水系の河川環境に十分配慮し、それと共存していくことが前提となる。
出典「近畿地方の水土グランドデザインとギャラクシープラン」近畿地方建設局編
(注)バージ・インチグレイディング・システム:バージとはいかだのような台船のことであり、動力がないため、自力走行できない。その台船を、海では複数連結して運搬し、川では目的場所別に分離して運ぶというシステム。ライター・アボート・シップ・システム:ライターとは、自力走行できる動力を備えた平底船のこと。コンテナを積んだ小型のライターを海では大型の母船に乗せて一括して輸送し、目的地の近くでライターを降ろし、川を上っていくというシステム。
上記の構想の実現にあたっては、環境問題をはじめさまざまな課題を解決する必要があり、実現までにはかなりの期間を要すると考えられる。
?災害時における緊急輸送路としての活用
近畿地方建設局と大阪府は、災害発生時における救援物資輸送路に河川を利用する体制の整傭を計画している。淀川と神崎川に救援物資の荷さばきが可能な船着場を整備し、災害時の道路通行不能時にも物資の輸送が行えるようにしようという計画である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION